授乳の仕方(おっぱいのふくませ方)
おっぱいを赤ちゃんにふくませるときは、「できるだけ深く!」がポイントになります。
乳首を吸うと、おっぱいが出るように思われがちですが、実は乳首だけ吸ってもおっぱいはほとんど出ません。乳首の奥に乳管洞というおっぱいが貯まる組織があり、赤ちゃんがそこまでを口の中にふくんで飲まないといけません。
授乳の時に、赤ちゃんが乳首の先の方だけを浅く吸ってチュパチュパと音を立てている時は、うまく吸えていません。浅くくわえてうまく吸えていない時は、長く吸ってもおっぱいを飲めていないので乳首に負担ばかりかけてしまい、傷を作る原因にもなります。赤ちゃんが大きなお口を開けた時に乳輪部が隠れるくらいまで深くふくませましょう。
一度でうまく出来なかったら、深くふくめるまで何度でも含ませ直しましょう。やり直すことが大変でも、上手に飲める近道になります!何人お産したお母さんでも、その赤ちゃんとは初めての授乳です。うまく授乳できるようになるまで大変かもしれませんが、赤ちゃんとお母さんと、お互い上手になるまでスタッフもお手伝いをさせていただきますので頑張りましょう。
おっぱいの張り
個人差がありますが、お産後3日前後でおっぱいが張ることが多いです。赤ちゃんが欲しがる量とおっぱいが作られる量のバランスがとれない間は、おっぱいがカチカチになったり重たくなったりします。しばらくすると、赤ちゃんが吸う刺激で、赤ちゃんが必要とする量だけを作るリズムが出来てきます。そうなると、おっぱいは必要以上に張ることはなくなり、ふわふわの柔らかいおっぱいに変わってきます。
いろいろな抱っこ
赤ちゃんがおっぱいをくわえた時に、あごが向く方向のおっぱいがよく吸い出されます。
いろいろな抱っこの方法で、まんべんなくおっぱいを吸わせることでトラブルも起こりにくくなります。いろいろな抱っこで授乳できると、赤ちゃんの状態やおっぱいの具合に対応しやすくなります。
横抱き
姿勢が安定しやすい
脇抱き
乳房の外側におっぱいが残りがちな時にお勧め
立て抱き
眠りがちな赤ちゃんにお勧め
おっぱいを飲む時間
授乳と授乳の間隔は、3時間以内であればどんな間隔でも良いです。赤ちゃんがしっかり飲めるようになり、体重が増えだしたら、赤ちゃんが欲しがるペースで授乳しましょう。
片方のおっぱいを長く吸われ続けると、傷ができたりして傷めてしまうことがあるので、5分吸ったら、赤ちゃんが上手に吸っていても、もう片方のおっぱいに変えましょう。5分でなくても、両方のおっぱいをバランスよく吸わせていきましょう。1回の授乳が片方のおっぱいだけで終わってしまうと、吸わせなかった方のおっぱいが強く張って、乳腺炎などのトラブルを起こすこともあります。
おっぱいの不思議
授乳中のお母さんの体からはプロラクチンというホルモン(おっぱいを作るホルモン)が分泌されています。プロラクチンが働くことによって、眠りは短時間熟睡型となってきます。
赤ちゃんが泣くと、すっと目が覚めて、授乳をして赤ちゃんが眠ってしまうと、お母さんもいつの間にか眠ってしまい…短くても深い眠りとなります。赤ちゃんを産んだお母さんには、子育てができるからだの仕組みが備わっているのです。
おっぱいを吸うためには、とても複雑な舌やあごの動きと力が必要です。なんと、おっぱいを飲むときは哺乳瓶の乳首を吸う60倍もの力を使っています。一生懸命おっぱいを吸うことで、あごの力がつくだけでなく、産道を通るときに微妙に生じた頭蓋骨のずれを元に戻す役割も果たしてくれます。